こんにちは、いちまりです。
こんな風に、悩む就活生はたくさんいます。
安定を求めて公務員になるか、やりがいを求めて民間企業に就職するか。
キャリアの第一歩を踏み出す就活生にとっては、これからの人生を左右する大事な選択ですよね。
私は大卒で民間企業(IT業界)に就職し、その後に地方自治体で公務員を経験したことがありますが、結論から先に言うと、
「新卒は公務員ではなく、民間企業を目指すべき」です。
公務員を目指していけないと言っているのではなく、どうしても公務員になりたいなら、一度民間企業を経験してから公務員に転職することをおすすめしています。
この記事では、新卒が公務員を目指すべきではない理由を、私見や経験を基に書いていますので、参考にご覧くださいね。
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新卒が公務員を目指すべきではない理由

新卒が公務員を目指すべきではない理由は以下のとおり。
- 公務員は研修の質が悪い
- 仕事をしなくても良い環境に慣れてしまうのは危険
- 民間企業から公務員への転職は簡単だがその逆は難しい
- 民間企業から公務員に転職しても巻き返せる
それでは、それぞれの理由を掘り下げつつ説明していきましょう。
公務員は研修の質が悪い
公務員の新人研修は質が悪いです。
なぜなら、自治体の事業は税金で行われるため、研修にかける予算が削減されている自治体が多いからです。
民間企業であれば、研修を専門とする外部企業に新人研修を委託し、専任講師の研修を受講できる場合が多いです。
ところが、公務員は、市町村職員による簡素な職員研修が1日2日用意されているだけ。
私が経験した自治体の集合研修は、様々な市町村の新人が集まって管理職の講義を受けるというものでしたが、法律の講義なのに、講師が出納部署(現金管理業務)で、法律が全然詳しくないという…。
しかも、研修の時期が8月~9月の夏場で、それまでの数カ月は一切の研修が無いというひどいものでした。
最悪の場合、特に田舎の地方自治体だと新人研修が一切なく、社会人マナーすら学べない場合も。
繰り返しになりますが、民間であれば、学生気分の新人を即戦力に育てるため、研修を専門とする外部企業に委託するなどして、しっかり研修を行っている企業が多いです。
OJTとは、実際の職務現場で業務を通して行う教育訓練のことで、「On-The-Job Training」の略称です。通常の業務の中で、上司や先輩社員等が教える側となり、部下や新入社員に実践的に知識やノウハウを伝えます。
そう思うかもしれませんが、ネットで調べれば会社の口コミや評判が出てきますので、研修の質を事前にチェックできますよね。
ところが自治体の場合はそうはいきません。それぞれの自治体で研修計画が違うし、公表していない自治体がほとんどです。入庁してみないとわからないんですよ。
仕事をしなくても良い環境に慣れてしまうのは危険
「仕事をしなくても良い」というと語弊があるかもしれませんが、公務員は自分の仕事を他人に任せて、仕事をしない人が多いです。(特に管理職になればなるほどね…。)
なぜなら、公務員は仕事ができなくても基本的にクビにはならないからですね。
しかも頑張って働いたところでインセンティブはもらえないですし、年功序列なので若くして出世することもありません。だから、やる気が出ないんでしょう。
ただ、仕事をしなくてもなんとかなるという環境に新卒社会人が慣れてしまうのは危険です。
私の経験上、民間企業は成果を求めて意欲的に仕事をしている人が多いです。
なぜなら、会社から不要な人材と判断されればリストラされますし、企業としても利益を残さないと倒産してしまうので、何かしらの危機感を持って仕事をしているからです。
なので新卒で公務員になるよりも、成果主義である民間企業に勤める方が、同僚との競争の中で揉まれ、仕事を推し進めていく力や問題を解決する力が向上するのです。
民間企業から公務員への転職は簡単だがその逆は難しい
私の体験談でもあり、公務員から民間企業に転職した同僚から聞いた話でもありますが、民間企業から公務員への就職はわりと簡単ですが、公務員から民間企業への転職は難しいです。
公務員から民間企業への転職が難しい理由は、公務員は手に職が付かないからです。
公務員は多くの場合が一般事務で、調べ物をしたり文書を作成する仕事が多く、民間企業で役立ちそうなスキルを身に付けにくいです。
しかも専門職を除いて3年から5年程で異動になるので、専門知識も身に付きにくいです。浅く広い範囲で仕事をするイメージですね。
なので、公務員として働いたことによって身に付けたスキルというのは、第三者から見ると非常にわかりにくく、企業側が採用するメリットを感じにくいのです。
それに、公務員と言うだけで、安定志向でチャレンジ精神が無いと思われ、印象が悪くなる場合もあります。
一方で、例えばIT企業に勤めてプログラマーになった場合は、プログラミング技術やプログラミング的思考(問題解決力)が身に付きます。
身に付いたスキルは自分の武器となり、他の企業に勤めても活かすことができますし、磨き上げてさらに強化をすることもできますよね。
このように、民間企業から公務員への就職は簡単ですが、公務員から民間企業への転職は難しいのです。
民間企業から公務員に転職しても巻き返せる
公務員にどうしても就職したいという人がいたとします。
以下の2ケースでは、どちらが回り道をしているように感じますか?
- 新卒で民間企業に就職し、その後で公務員に転職した場合
- 新卒で公務員に転職した場合
①の方が回り道をしているように感じますよね。
でも実際はそんなことはありません。
民間企業の競争環境の中で数年揉まれた後に公務員に転職すると、強くてニューゲーム状態になれます。
なぜなら、前述したとおり民間企業は
- 公務員より研修の質が良くスタートダッシュができる
- 成果主義の中で揉まれて能力アップできる
- 危機感を持って仕事してきたので仕事への意識が違う
からですね。
実際に私はIT業界を5年勤めてから公務員に転職しましたが、強くてニューゲーム状態を実感しつつ、同年代を差し置いて係長に出世できました。
民間企業で同僚と競い合い身に付けた経験は公務員でも十二分に通用しますし、この過程を踏んでこなかった公務員よりもアドバンテージがあります。
なので、将来的に公務員になりたいと思っていても、一度民間企業に就職し成果主義の中で鍛えてから公務員に転職しても、決してそれは回り道ではありません。
新卒が公務員を目指すべきではない理由|まとめ
- 公務員は研修の質が悪い
- 仕事をしなくても良い環境に慣れてしまうのは危険
- 民間企業から公務員への転職はわりと簡単だがその逆は難しい
- 民間企業から公務員に転職しても巻き返せる
公務員と民間の両方を経験したことがある私が、新卒が公務員を目指すべきではない理由を書いてみました。
将来的に公務員になり、「安定しつつ社会貢献ができる仕事がしたい」と思っている場合でも、仕事力を身に付けるために民間企業に就職することをおすすめします。
公務員には倒産が無く、基本的にはクビが無いので、守られた環境で仕事をしていますが、民間企業は成果主義なので、多少なりとも危機感をもって仕事をしています。
なので、公務員よりも民間企業の方が仕事力が身に付くのは明らかですよ。